症状

睡眠障害というと代表的なのは眠れない不眠症ですが、他にもいくつかの種類があります。
この記事では、その分類ごとにどのような症状が表れるのかを紹介していきます。


米国睡眠障害連合(ASA)では睡眠障害の国際分類を規定以下のようになります。


1.睡眠異常
【内因性睡眠障害】

・精神生理性不眠症
精神的なストレスがきっかけとなり眠れなくなる不眠症。
神経質な人が発症することが多く、眠れなくなったことで布団に入ったときに「眠らなければならない」という強迫観念が生じてしまい、それが新たなストレスとなって更に眠れなくなる。

・睡眠状態誤認
睡眠がとれているのに、睡眠がとれていないように感じる状態です。
実際に睡眠ポリグラフ検査など科学的データで睡眠が証明されているにもかかわらずこのような認識を持ってしまうのはたくさんの眠りを必要とする成長期と成長しきって眠りを必要としない大人の時期などに表れます。

・ナルコレプシー
通称居眠り病と呼ばれるこの病気は、日中に猛烈な眠気を感じて居眠りをしてしまいます。
しかも、1回寝ても数時間すれば再び眠気が生じ1日に1~4回は眠ってしまいます。

これは睡眠不足によるものではなく、通常の夜の眠りを十分取っていても症状が現れてしまうのです。

眠りは深いものではなく、居眠りをすることを止めることは出来ませんが、いったん眠りに入ると呼びかけなどで簡単に起こすことができます。

この病気の危険性は、眠ることが発作のように表れてしまうために、たとえば車などの運転中や歩行中などにも居眠りがでてしまい、場合によっては死すら招きかねません。

・反復性過眠症
青年期に多くでる症状ですが、数日から二週間程度傾眠状態となり、半日以上眠り続けます。

外からの呼びかけに答えるものの、覚醒することはありません。
ただ、食事や排泄など自らの意思で行えます。

・特発性過眠症
症状からするとナルコレプシーに近いですが、日中に横になると眠気を感じ数時間眠ってしまうものです。

この病気も耐え難い眠気が徐々に強まることから、発症する場所によっては危険を伴います。
ただ、眠気の強さはナルコレプシーより弱く、目覚めに関しては悪くなっています。
この病気は目覚めの悪さから頭痛やめまいなどをともおない、重度となると意識障害も引き起こします。

・外傷後性過眠症
手術や事故などで頭部への外傷を受けた後などに発症するとされています。
怪我による睡眠パターンの乱れから日中、夜間の睡眠を求めるようになります。

・閉塞性睡眠時無呼吸症候群
夜間に上気道閉塞により無呼吸状態が生じてしまう睡眠障害です。

定義では「夜間7時間以上の睡眠で、10秒以上呼吸停止(無呼吸)状態が30回以上。
単位時間あたりにすると無呼吸回数は5回以上存在すること、入眠初期、レム睡眠だけに集中したものではないこと」となっています。

無呼吸になることで脳は眠ることができず、日中に眠気を生じたり集中力が欠如します。
また、血中の酸素濃度の低下により臓器への悪影響も考えられます。

・中枢性睡眠時無呼吸症候群
胸や腹が行う換気運動が低下ないしは消滅してしまったことで、鼻口での呼吸もなくなってしまう無呼吸状態です。

このタイプでは血中の二酸化炭素の除去を命じる脳幹が上手く働かず、一時的な無呼吸状態が長引いてしまいます。

・中枢性肺胞低換気症候群
呼吸を行う肺が正常にもかかわらず動脈血中の炭酸ガスが高くなり肺胞換気量が低下してしまうものです。

初期ではそれほど自覚症状はありませんが、症状が進んで肺の換気が出来なくなると睡眠中に苦しくなったり呼吸困難となってしまいます。
更に進むと右心不全により浮腫(腫れ上がること)も表れてしまいます。

・周期性四肢運動障害
睡眠中に手足が不随意運動(意識とは関係ない運動)を周期的に起こしてしまう病気です。
その運動により眠りが中断され睡眠不足になってしまうことも。

またレストレス・レッグ症候群を併発していることが多く、また発症者の多くは高齢者とされています。

・レストレス・レッグ症候群
通称むずむず脚症候群とよばれるこの病気は、「脚に虫が這う」「焼ける」といった異常感覚を感じることで、脚をじっとしていることが出来なくなってしまいます。

周期性四肢運動障害とは違い、こちらは自分の意思で脚を動かしているので止めようと思えば止めることができます。
ですが、止めても異常感覚が消えるわけではありません。

症状は就寝時や休憩時などリラックスした状態に起こるので、飛行機や車での移動が苦痛になってしまいます。

・特定不能な内因性睡眠障害

【外因性睡眠障害】

・不適切睡眠衛生
これは生活習慣により引き起こされるものです。。
たとえば徹夜、カフェインの取りすぎ、飲酒喫煙、就寝前のテレビ・ゲームなどが上げられます。

これによって一時的に不眠となり、日中に眠気を感じたり集中力が欠如したりといった症状が出てしまいます。
この状態を長期間続けるとやがては「眠らなければならない」というストレスから「精神生理性不眠症」に至ることもあります。

・環境性睡眠障害
夜間工事の騒音や夏の熱帯夜など環境が原因となって不眠となってしまう病気です。

・高地不眠症
高い山などに登ると生じる高山病。
その症状の一つとして不眠になります。

血中の酸素濃度が低くなることで無呼吸状態が生じ、睡眠障害と引き起こすためです。

この状態を続けていくと肺浮腫、昏睡状態という重症化もありえます。

・適応性睡眠障害
ストレスがかかることで不眠の症状が出る病気です。
この病気では寝ることが難しく、寝てもすぐにさめる浅い眠りしかできなくなってしまいます。

そのために脳の疲労は蓄積され疲労、倦怠感、体の不調、鬱などが引き起こされてしまいます。

・睡眠不足症候群
仕事などが忙しく十分な睡眠がとれないときに睡眠不足となり日中の眠気、集中力の欠如といった症状が出てくる病気です。

休日など仕事から解放されたときにはその睡眠は長くなるというのが特徴です。
集中力の欠如やイライラは事故などを引き起こす危険性があります。

・しつけ不足睡眠障害
これは親のしつけ。
すなわち夜はきちんと寝て朝は起きるという生活リズムをこどもにしつけることができず、だらだらと夜遅くまで起きていると生じる病気です。

これはきちんと直しておかないと大人になってから概日リズム睡眠障害(体内時計が狂うため起きる睡眠障害)となってしまいます。